澤・紅林公認会計士事務所
   


H27年度の主な法人税制の改正 


 法人税率、法人事業税率の引下げ

法人税率が25.5%から23.9%に引下げられます。

この改正は平成2741日以後開始する事業年度から適用となります。

また、法人事業税所得割(地方税)の標準税率が、現行の7.2%から平成27年4月1日以後開始事業年度からは6.0%に、平成28年4月1日以後開始事業年度からは4.8%に段階的に引き下げられます。

 欠損金の繰越控除制度の見直し

大法人の青色欠損金の控除限度額が80%でしたが、
@平成2741日から平成29331日までの間に開始する事業年度は65%
A平成2941日以後に開始する事業年度は50%
と段階的に縮小となります。。

また欠損金の繰越期間が9年から10年に変更になりました。
ただし、経営再建中の法人、新設法人については、7年間は控除限度額100%となります。

なお、中小法人については、変更はなく控除限度額は100%のままです。


この改正は平成27年4月1日以後開始する事業年度から適用となります。

 受取配当金等益金不算入制度の見直し

受取配当金の益金算入割合が見直されました。

@   持株割合1/3超〜100%  →不算入割合100%

A   持株割合5%超〜1/3以下 →不算入割合50%

B   持株割合5%未満       →不算入割合20%


主な消費税制の改正


 消費税率の引上げ時期の変更

消費税率を10%に引き上げる時期は、平成27101日から平成2941日に変更となりました。

 国境を越えた役務の提供にかかる課税の見直し

国境を越えた電気通信利用役務の提供について、国内・国外の判定を「役務の提供が行われた場所」から「役務の提供を受ける者の住所もしくは居所」に変更となりました。インターネットを介して行われる電子書籍、音楽、ソフトウエア(ゲーム、アプリ等)、広告の配信等のサービスが対象となります。

@ 国外事業者が行う「事業者向け」電気通信利用役務の提供
申告・納税義務者は役務の提供を受けた国内事業者となり、特定課税仕入として申告納税を行うこととなります(リバースチャージ方式)。ただし課税売上割合が95%以上の課税期間については申告・納税義務はありません。

A   国外事業者が行う「消費者向け」電気通信利用役務の提供
消費者向けの場合は@のリバースチャージ方式ではなく、役務提供者が申告・納税を行います。役務提供者が登録国外事業者である場合には、役務の提供を受けた国内事業者は仕入税額控除が認められます。しかし、役務提供者が登録国外事業者でない場合には、仕入税額控除が認められません。

この改正は平成27101日以後の取引から適用となります


主な所得税制の改正


 NISA

平成28年度から、年間の投資上限額が100万円から120万円に引き上げられます。

 国外転出をする場合の譲渡所得課税の特例の新設

平成2771日以後に国外に転出(国内に住所、居所を有しないこととなる場合)する者が1億円以上の有価証券等を所有している場合、国外転出時に未実現の含み益に対して課税されることになりました。なお一定の場合には納税猶予(最長10年)を選択することができます。

 財産債務調書制度の新設

所得税の確定申告書を提出すべき者で、所得が2,000万円を超え、かつ財産の価額が3億円以上又は、1億円以上の国外転出特例対象財産を有す場合には、その財産の種類、数量及び価額並びに債務の金額その他必用な事項を記載した財産債務調書を翌年の315日までに提出することになりました。

この改正は平成2811日以後に提出すべき財産債務調書につき適用となります。

 国外居住親族にかかる扶養控除等の書類の添付義務化

扶養控除の対象となる親族、配偶者控除の対象となる配偶者、障害者控除の対象となる障害者が非居住者である場合、扶養控除等申告書については下記@の書類の添付が、年末調整及び確定申告書には下記@とAの書類の添付が義務づけられました。

@  居住者の親族に該当する旨を証明する書類(戸籍の付票、出生証明書等)
A  生計を一つにする書類(送金依頼書、クレジットカード利用明細等)の書類

この改正は扶養控除等申告書及び年末調整については平成28年1月1日以後に支払うべき給与等に、確定申告については平成28年分以後の申告につき適用となります。


主な相続税制の改正



 結婚・子育て資金の贈与税の非課税措置の創設

親・祖父母(直系尊属)から子・孫へ贈与された結婚・子育て資金のうち、1,000万円までの金額については贈与税が非課税となります。

対象となる受贈者は20歳以上50歳未満の者であり、結婚・子育て資金は、挙式費用・新居の住居費・引越費用・不妊治療費・出産費用・産後ケア費用・子の医療費・子の保育費などに充てる資金です。

この改正は平成2741日以後に行われる贈与より適用となります。

 国外転出をする場合の譲渡所得課税の特例新設に伴う改正

国外転出をする場合の譲渡所得の特例にかかる納税猶予を受けていた個人の相続または財産の贈与が行われた場合、相続税または贈与税の納税義務の判定に際しては、当該個人は相続または贈与前5年以内のいずれかの時において国内に住所を有していたものとみなすこととされ、相続または贈与によって財産を取得した者は、その取得した財産の全部について相続税または贈与税を納める義務があることとされました。

この改正は平成28年7月1日以後に相続もしくは贈与によって財産を取得する場合より適用となります。


主な租税条約の改正


 日本・カタール租税協定の締結

@配当にかかる源泉税率は、10%以上の議決権を所有する法人の場合は5%、それ以外の場合は10%とされました。

A利子にかかる源泉税率が10%とされました。

B使用料にかかる源泉税率が5%とされました。


 日本・英領バージン諸島租税情報交換協定の締結

OECDモデルに沿った内容の協定が締結されました。



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